動機づけ面接(MI)とは:基本的な考え方・特徴・技法をわかりやすく解説【院試対策・心理英語オリジナル問題つき】

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動機づけ面接(MI)とは

動機づけ面接(Motivational Interviewing:MI)は、本人の中にある「変わりたい」という気持ちや、行動を変えようとする動機づけに着目するカウンセリングのアプローチです。

心理学者のウィリアム・R・ミラー(William R. Miller)とステファン・ロルニック(Stephen Rollnick)によって発展し、当初は主にアルコール問題を対象として研究されていました。

現在では、医療や司法、教育、福祉など、さまざまな領域で活用されています。

動機づけ面接では基本的に、支援者が一方的に解決策を提示したり、行動の変化を指示したりしません。

本人の考えや感情に耳を傾けながら、本人が変化について考え、自発的に選択できるように働きかけることを重視します。

本人の自律性を尊重しつつも、行動変容という目的を持って対話を進めるところに特徴があります。

動機づけ面接で重視される「両価性」とは

動機づけ面接を理解するうえで欠かせないのが「両価性(ambivalence)」という概念です。

両価性とは、同じ対象や行動に対して、相反する感情や考えを持っている状態を指します。

例えば、「何かをやめたいと思いながら、それを続けたいとも感じている」といった場合です。

こうした気持ちが生まれる背景には、現在の行動を変えることにも、変えずに続けることにも、本人なりの理由や価値があるという事情があります。

そのため、周囲から見ると「明らかに行動を変えた方がよい」と思われる場合でも、本人も同じように考えているとは限りません。

また、変化の必要性を理解していたとしても、そのことが必ずしも行動変容につながるわけではありません。

両価性を単なる「意志の弱さ」と考えない

動機づけ面接では、本人の行動が変わらない理由を、単に意志や努力の不足に帰属するのではなく、その人が抱えている両価性に目を向けます。

さらに、両価性によってどんな葛藤が起きているのかを把握しようとします。

支援者に求められるのは、本人が何を望み、何に迷い、現在の行動にどのような意味を見いだしているのかを理解しようとする姿勢です。

本人の葛藤を十分に理解しないまま変化を急がせることは、支援者の期待を優先することにつながりかねません。

このような観点から、筆者は、支援者自身が「本人にどう変わってほしいと考えているのか」を自覚し、その期待が面接に与える影響を振り返ることも重要だと考えます。

すなわち、本人の自律性を重視する「動機づけ面接」であるためには、支援者の期待をメタ認知していることが大切だと言えるでしょう。

チェンジトークとは? 行動変容との関係

動機づけ面接では、行動変容につながる本人の発言を「チェンジトーク(change talk)」と呼びます。

チェンジトークには、変化への願望や必要性、変化する理由、自分にもできそうだという感覚、変化に向けた意思などが含まれます。

例えば、ある人が現在の生活習慣を見直そうとしているとします。その人が生活を変えることのメリットや、自分にできそうな工夫を語ったとき、それらの発言はチェンジトークに該当する場合があります。

支援者は、このような「変化への動機づけが表れた発言」に注意を向け、本人が自分自身の動機づけをより明確にできるよう支援します。

一方で、チェンジトークを引き出すことと支援者が望む方向へ本人を説得することは同じではありません。

行動変容の目標を検討する過程においても、本人の意思や選択を尊重することが重要です。

動機づけ面接の基本姿勢「MIスピリット」

動機づけ面接では、面接技法だけでなく、支援者がどのような姿勢で本人と関わるかも重視されます。

この基本姿勢を「MIスピリット」と呼びます。

2023年に刊行された基本文献の第4版では、以下の4つの要素によって説明されています。

要素基本的な意味
協働(Partnership)本人と支援者が協力して取り組む
受容(Acceptance)本人の価値観や自律性を尊重する
思いやり(Compassion)本人の幸福や利益を大切にする
エンパワメント(Empowerment)本人の強みや能力を生かす

MIスピリットは、面接の手順そのものではなく、それらの技法を用いる際の基本的な姿勢を示すものです。

動機づけ面接の4つの基本スキル「OARS」

動機づけ面接では、OARS(オールス)と呼ばれる4つのコミュニケーションスキルが用いられます。

技法役割
O:Open Questions(開かれた質問)自由な回答を促す
A:Affirmations(是認)強みや努力を認める
R:Reflections(聞き返し)発言の意味や感情を理解して返す
S:Summaries(要約)発言を整理し、振り返りにつなげる

開かれた質問

「はい」「いいえ」だけで答える質問ではなく、本人が自由に考えや気持ちを話せる質問を用います。

是認

本人の努力、強み、価値観などを認め、それを具体的な言葉で伝えます。単なる賞賛とは異なり、本人の持つ資源に目を向けることが重要です。

聞き返し

本人が話した内容を受け止め、その意味や感情を言葉にして返します。発言を繰り返すだけでなく、言葉の背後にある意味を理解しようとする応答も含まれます。

要約

対話の中で語られた内容を整理して伝えます。本人が自分の考えを振り返り、変化について検討することを助けます。

これらのスキルは、日常的なコミュニケーションにも見られるものですが、動機づけ面接では本人の自己理解や主体的な行動変容を支援するために用いられます。

まとめ

動機づけ面接は、本人が持っている変化への動機づけを引き出し、行動変容を支援するコミュニケーションの方法です。

その特徴は、両価性を理解すること、チェンジトークに注目すること、そして本人の自律性を尊重しながら、目的を持って対話を進めることにあります。

面接に用いられる技法だけでなく、それらをどのような姿勢で用いるかも重要な要素となっています。


参考文献

MINT UK & Ireland:What is MI? — 第4版のMIスピリット・基本技法
Miller & Rollnick:Motivational Interviewing, Fourth Edition — 2023年刊行の第4版
米国コネチカット州精神保健・依存症サービス局:Motivational Interviewing — MIの定義と基本構成


※本記事は、心理系大学院入試における学習資料として、動機づけ面接の基本的な理論と技法を解説したものです。動機づけ面接に対する筆者自身の評価や立場を表明するものではありません。


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What Is Motivational Interviewing? Its Basic Principles and Characteristics

Motivational interviewing (MI) is a collaborative approach to communication designed to enhance individuals’ motivation to change their own behavior and strengthen their willingness and commitment to making such changes.

【和訳問題①】

上記の英文を日本語に訳しなさい。


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