「ピグマリオン効果」と「ゴーレム効果」という二つの心理現象を基に、お子様の学習意欲や成績向上に活かす心構えをご紹介します。
ピグマリオン効果とは
ピグマリオン効果とは、他者から期待されることで、その期待に応えようと努力し、結果的に成果や能力が向上する心理現象のことです。
例えば、ある教師が特定の生徒に対して、「この子は成績が上がるだろう」と期待を持つことで、その生徒の成績が向上する傾向があります。このことから、「教師期待効果」とも呼ばれます。
この効果は、1960年代、教育心理学者のローゼンタールが、ある小学校の児童を対象とした学力に関する実験で発見されました。
ローゼンタールによる実験
まず、対象となった小学校の1年生から6年生の児童に知能検査を受けさせました。この結果を分析した心理学者は、このうち約20%の児童に潜在的な能力があると教師に報告しましたが、これは虚偽の報告で、実際には、出席簿からランダムに選ばれただけでした。
そして1年後、再び対象児童に知能検査を受けさせると、潜在的な能力が高いと虚偽の情報を伝えられた児童は、そのほかの児童よりも顕著に知能指数が向上していたのです。
逆に、潜在的な能力があると指摘されなかったその他の児童には、知能指数の変化があまり見られませんでした。
ゴーレム効果とは
先述の、「潜在的な能力があると指摘されなかったその他の児童には知能指数の変化があまり見られなかった」…この現象を「ゴーレム効果」といいます。
ピグマリオン効果と対をなすもので、周囲からの期待が低かったり、関心を持たれないことで、個人のモチベーションが下がり、結果として能力が下がる心理現象です。
ピグマリオン効果をやる気&成績アップに活かすには
これらの心理学的効果は、お子様の成績向上に活かすことができると考えられます。
ローゼンタールの実験では、教育心理の専門家に特定の児童らの潜在的な能力を報告された教師たちが、知らず知らずのうちに、特定の児童たちに「期待」やある種の「思い込み」を持って接した結果、実際に能力が向上しています。
逆に言えば、マイナスな「思い込み」や「偏見」を持ってお子様と接してしまうと、その通りのマイナスな結果を招く可能性があると言えます。
プロセスを重視して
「褒めて伸ばす」とも捉えられるこの概念ですが、褒め方にもコツがあると考えられます。結果だけを褒めるのではなく、努力する過程や今後への期待を主に褒めることで、お子様の自主的な学習へのモチベーションを向上させることができるのではないでしょうか。
学校の先生との関係はどう?
学校の先生との関係性を改善するのも非常に大切です。ピグマリオン効果とゴーレム効果の理論に基づいて考えるならば、先生に「悪い子」「できない子」と認識されているとお子様にも悪影響を及ぼします。
親としての心構え
また、親御さん自身が、不安や心配により、ネガティブな思い込みのままでお子さんと接することは、この理論に基づくと芳しくありません。
不安な要素は、教育や心理学に精通した専門家に相談することで、解消されることもあるかもしれません。
モチベーションや成績がなかなか上がらないことに悩んでいる貴方、よろしければ一度、家庭教師カウンセラーに相談してみませんか。
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参考文献 大芦 治(2023),心理学をつくった実験30,ちくま新書