【中学受験】オススメの進学先は?…大学附属・全寮制・中高一貫、それとも公立? お子さんの性格・成績を踏まえた具体的なアドバイス【プロ家庭教師の学習支援×臨床心理士の進路相談】

中学受験の志望校、どこにしようか迷っているお子さん・親御さんから今年もたくさんご相談希望を承っています。

コロナ禍、少子化、大学受験の共通テスト化を経て、中学受験に対する見方が年々、変容してきています。

このページでは、学校側のニーズ(校風、卒業後の進路、少子化による影響)家庭側のニーズ(受験や進学の容易さ、学校生活の快適さ)さらにお子さんのタイプ(性格&成績)の3点を踏まえて、【中学受験のオススメ進学先】をお伝え致します。

偏差値だけで志望校や進学先を選んだり決めたりしてしまうのは危険かもしれません

志望校選択・進学先決定の前にぜひご一読ください。

大学付属校が向いているタイプ

大学付属校が向いているのは性格&成績がこんな感じ↓のお子さんです。

✅のんびり屋さん
✅友達を作るのが得意
✅誰とでも分け隔てなく付き合える
✅本番に弱い
✅争いごとが苦手
✅素直な性格
✅得意不得意が比較的ハッキリしている
✅将来の夢は漠然としている

のんびり屋さんで負けず嫌いとは言えない性格ですと、受験回数は少ない方が良いでしょう。できれば中学受験だけがんばってしまって後はのほほんと過ごすほうが性に合っていると思われます。

長い年月、同じメンバーとともに過ごす大学付属校の特性から考えて、人間関係を円滑に保つスキルは不可欠です。誰とでもそれなりに仲良くできるタイプは付属校向きと言えるでしょう。

本番に弱いタイプは受験を少なくした方が良いでしょう。
もちろん、受験を積み重ねることによって本番に強くストレスにも耐えうる性質にしていくべきではありますが、万一どうしても本番で力を発揮するスキルが身につかなかったことを考えて、先を見越して大学附属に入れておくという保険の掛け方もわるくないと思います。

将来の夢がハッキリしているお子さんは、ある特定の大学付属校は向いていないこともあります。
といいますのも、大学は学部が限定されるからです。
学びたい学部がない大学の付属校にしか受からなかった場合は悲劇です。
もちろん、すでに将来の夢が決まっていてその夢を叶えられる学部のある大学付属校に進学するテもありますが、まだまだ小学生。これから夢が変容する可能性も多々あります。
それならば、まだ夢は決まっていない状態で、付属の大学にある学部を選択肢として将来設計をするという順番のほうが建設的でしょう。

全寮制が向いているタイプ

全寮制が向いているのは性格&成績がこんな感じ↓のお子さんです。

✅ちょっと変わったところがある
✅何かひとつ得意なことがある
✅気分転換が得意
✅だいたい誰とでもうまく付き合える
✅臨機応変スキルがある
✅一度こうと決めたら最後まで貫く
✅成績はわるくはないがすごく良いとも言えない
✅受験へのモチベーションはそこそこ
✅ミーハーなところがある
✅ひとりっ子

全寮制の学校は国内には多いとは言えませんが、まったくないわけではありません。
特に、伝統校や「自主自立」の校風を重視する学校は、中学から全寮制にしているところも少なくありません。

寄宿制の学校は年の近い仲間の素晴らしさを体験できます。
ひとりっ子のお子さんでも、きょうだい間で体験できないピア(仲間)関係の良さを存分に味わい、共感的で協力的な性質を養うことができるでしょう。

一方で、限られた環境内で人間関係のトラブルが起きた際には、臨機応変に対応できないとなかなかしんどいことになりかねません。
思春期の仲間関係は翌日にはケロッとしていることも多々ありますから、気分転換が得意な人のほうが合っていると言えるでしょう。

全寮制で心配なのがホームシック。
一度こうと決めたら最後まで貫き通す性質を持っているお子さんは、ホームシックに陥っても回復が早い傾向があります。

学校は有名校・伝統校には全寮制システムがあるところが多いですから、言い方はよくないかもしれませんがミーハーなところのあるお子さんは有名校・伝統校の寄宿制で6年間過ごしたという経歴を作れることにワクワクしてくれることでしょう。

中高一貫校(難関)が向いているタイプ

難関、もしくは有名な中高一貫校にがんばって入学するのが向いているのは性格&成績がこんな感じ↓のお子さんです。

✅集中力がある
✅英語が得意(中学入学時点で英検3級めやす)
✅予習復習の習慣がある
✅漢字、文法(国語&英語)、算数が得意
✅賢い、地頭が良い
✅親や先生から言われなくても自分から勉強する
✅素直で自立心旺盛
✅負けず嫌い
✅周りが優秀でも劣等感を抱きすぎない
✅文武両道

中高一貫の難関校・有名校には優秀なお子さんが集まります。
特に最近では、難関進学校の中高一貫では英語の授業が「すでに教科書の内容はわかっていることが前提」で進んでいきます。
英語が得意でないと授業についていくことが難しくなります。

また、最近の中高一貫の難関校ではインター出身や帰国子女の子が増えています。
そういった子はそもそも英語がネイティブ並みです。
そんなメンバーの中で落ちこぼれずに成績上位を取り続けるには努力だけでは補いきれません。
地頭の良さ、元来の賢さが必須です。

中高一貫の難関校で成績上位をキープすることができれば、国公立大や医学部にも入りやすくなります。
しかし、難関校の定期テストは非常に難易度が高く、えげつない量の宿題が出ます。
難関私立に入学するだけでなく、成績上位を維持するためには、親や先生に言われなくても自分から勉強する習慣が身についている必要があります。
また、要領よく効果的に勉強することができるかどうかも大事な要素です。

難関校・人気校には全国の学級委員長が集合します。
全員が学級委員の環境の中では、自分より秀でている子もたくさんいます。劣等感を抱くこともあるでしょう。
しかし、その劣等感をバネに、苦手を克服し得意を伸ばしていくことができるかどうかが大切です。
逆境に対する強さ、真の負けず嫌いな性質が必要とされるでしょう。

難関校・人気校では、体育会系の部活も賑わっています。
運動部では、チームワークや集中力の大切さを磨くことができます。
運動も勉強も得意な子、文武両道を目指している子が中高一貫の難関校・人気校に向いていると言えるでしょう。

中高一貫校(中堅)が向いているタイプ

中堅レベルの中高一貫校が向いているのは性格&成績がこんな感じ↓のお子さんです。

✅打たれ強い
✅周りに流されすぎない
✅適度に合わせることができる
✅心の裏表(本音と建前)を認識している
✅大人の言ったことを真に受けない
✅反社会的な心性はないorほんの少ししかない
✅思い通りにならなくても冷静でいられる
✅成績はわるくないが誰かついていないと勉強しづらい
✅どうしても行きたい中学があるというわけではない
✅大学入試は指定校推薦を狙っている

ここ10年ほどで、中堅校はかなり様変わりしてきました。
「お嬢様学校」「伝統校」として知られる学校でも、イメージとは程遠い生徒さんや保護者さんも少なくないようになってきています。

そんな現状ですから、いざ入学してみたものの「思っていたのと違った…」となってもショックを受けすぎず、与えられた環境の中で自分なりにがんばれるお子さんなら大丈夫だと思います。

学年カラーにもよりますが、いじめやいやがらせも少なくありません。
他校の生徒やSNSで知り合った人との良いとは言えない交友関係がある子もいます。
周りに流されやすい子、反社会的な傾向がある子(「ワル」「ヤンキー」等に憧れのある子)は、安易に中堅校を選ばない方が良いと思います。

そのような感じで、リスクがないとはいえない中堅校の学校生活ですが、大学入試で指定校推薦を狙うには好都合です。
中学受験を控えている今は、難関校や大学附属には受からなさそうでも、中堅校ならある程度余裕を持って受かりそうであれば、学校生活さえ乗り切ってしまえば指定校推薦をもらいやすいでしょう。

ただし、「周りに流されないこと」「モチベーションを保つこと」が必須条件です。
中堅校といっても下位になればなるほど指定校推薦の枠は限られてきます。
行きたい大学への枠がなくて一般受験をしいられる可能性もあります。

公立中が向いているタイプ

公立の中学校が向いているのは性格&成績がこんな感じ↓のお子さんです。

✅地元に仲の良いお友達が複数いる
✅新しい環境への脆弱性がある
✅塾はあまり好きではない
✅負けず嫌いだが、勉強にはあまり活かされていない
✅基本的にのんびり屋
✅自分の実力と向き合うのに抵抗がある
✅模試が好きではない

中高一貫校、私立の学校へ行くデメリットは、小学校までの地元の友達と離れてしまうことです。
もちろん、放課後はお家に帰るので小学校のお友達とも遊べますが、やはりなんとなく疎遠になってしまうものです。

地元のお友達と疎遠になってしまうことに抵抗があるお子さんは、公立中に進んだ方が良いかもしれません。
もし、仲の良いお友達が中学受験をするのならば、同じ学校を受験するのも良いでしょう。お互いに切磋琢磨しあえて、モチベーション維持にもつながるはずです。

新しい環境への脆弱性は、受験するかしないかにあたって最も真剣に考えてほしい要素です。
志望校に受かったは良いものの、新奇性への不安や心細さで不登校になってしまう子もいます。
慣れた環境の方が安心して本領発揮できる性質の強いお子さんは、公立中のほうが良いかもしれません。

自我の成長が、中学受験というある種の戦いについてこないお子さんも、公立中に進むことをお勧めします。
中学受験は自分と向き合う場です。
模試を受けて全国における自分の位置を確認し、実力と向き合う必要があります。
勉強的なプライドにおいて傷つくのがつらいタイプのお子さん、挫折から立ち直れない可能性のあるお子さんは、中学受験によってその先の長い人生が壊れてしまう可能性すらあります。

それでも、最近の社会事情を考えると中学受験で付属校や中高一貫校へ進学させておきたい…というお父さんお母さんの願いも非常に共感できます。
その際は、親御さんも一緒に、お子さんの新しい環境への脆弱性や自我の未熟さを育てるためのカウンセリング・コーチングを受けることをお勧めします。


いろんなことを申し上げましたので、かえって混乱させてしまったかもしれません。申し訳ありません。

お子さんには可能性がいっぱいあります。
中学受験はある意味、その可能性を最初から限定してしまうことになってしまうかもしれません。

しかし、お子さんの性格や成績傾向をしっかりと見てあげた上での選択であるならば、中学受験というライフイベントは結果的に大いにお子さんの役に立つでしょう。


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石割美奈子(家庭教師カウンセラー)
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