発達障害かも…と悩む大学生さんの増加傾向
近年、大学生さんから「なぜか単位を落としてしまう」「レポートが書けない」「プレゼンがつらい」といった悩みが多く寄せられ、中でも「自分は発達障害なのではないか」と心配する方が増加傾向にあります。
発達障害が否かについては精神科の先生と一緒に複数回の診察や検査を通して診断がおりるものなので、気になる方は一度メンタルクリニックに行かれることをお勧めします。
どこのクリニックに行けば良いかわからない方は病院選びの相談にのりますのでどうぞご連絡ください🍀
発達障害がどうかはともかくとして、がんばって大学の授業に出席しているのに単位を落としてしまって悲しい…という悩みをお持ちの方は、以下に単位を落としてしまう原因(発達特性や心理的要因)と対策を記載します。
ひとつでも参考にして頂ける箇所があれば幸いです。
「大学の単位を落とす」に関連する発達特性/心理的要因とは
大学の単位を落としてしまう要素として、発達特性や心理的要因が考えられる場合をいくつか事例とともにあげてみます。
「大学の単位を落とす」に関連する発達特性
単位を落としてしまう原因が「授業についていけないこと」である場合は、授業理解の困難さや読字・書字の困難さなどの発達特性が関連している可能性があるでしょう。
授業に集中できない場合やマルチタスクが過剰に苦手な場合はADHD(注意欠如・多動症)、テキストやレジュメ、授業資料などに書いてあることが理解できない場合はLD(学習障害)の可能性があるかもしれません。
とはいえ、一般入試を経て大学に合格できたのであれば学習障害の可能性はかなり低いと言えるでしょう。推薦やAO入試経由で大学に入学した後に授業についていけなくなり、調べてみた結果、実は学習障害が背景にあった…という方もいらっしゃいます。
単位を落としてしまう原因が「授業に出席できないこと」である場合は、さまざまな要因が考えられますが、その要因が発達特性にあるのであれば発達障害によるものというよりは二次障害的なものではないかと思います。
発達障害の二次障害とは
発達障害の二次障害とは、発達特性のために起きてしまう心理的な症状のことです。
例えば、「特性によって特定の勉強ができないことでいじめに遭い、そのためにうつ病様の症状が出るケース」や「地図が読めず迷子になった経験が元で外出が困難になるなどの不安障害を併発するケース」などがあげられます。
授業に出席できない理由も人によっていろんな要素があると思います。
例えば、学校でうまく行動できるかどうかが心配で夜眠れない、そのために寝坊して遅刻してしまうなら不安障害が隠れているかもしれません。
発達障害なのか二次障害なのかをハッキリ区別することは難しいです。
「発達特性とともに二次障害がある」とおっしゃる専門家もいます。
上岡義典(2022)発達障害の二次障害について考える 四国大学学際融合研究所年報135-139
“障害”に意識を向けるよりは、大学で困難であることを今よりも楽しく味わいながらこなしていくにはどうしたら良いかについて建設的に考えていくことが大切だと思います。
「大学の単位を落とす」に関連する心理的要因
「大学の単位を落としてしまう」心理的要因としては、本当にさまざまなものが挙げられます。
これまでお手伝いをさせていただいた生徒さんの中にも、例えば…
- 友人関係のトラブルから不登校になった方
- 教室での不安感からパニック障害(広場恐怖)を発症した方
- これまで優秀だったのにひとつ単位を落としたことで挫折を感じうつ病様症状が発現した方
- 自分の経験を活かした職業に就くために福祉を学ぶ学部に入ったけれどとある必修科目でトラウマに触れる内容がありフラッシュバックを起こしてしまって学校が怖くなってしまった方
…といった経験をされている方がいらっしゃいます。
単位を落としてしまう理由は本当に多種多様です。
対策や対処法については、単位を落としてしまうことよりも自分の課題と向き合うことを優先していくほうが、結果的に近道となることが多いです。
また、自分の課題と向き合いつつも大学生活を楽しむためのオリジナルな方法(部活やサークルに入る、趣味を深める、旅行をするなど)を楽しく考え実践していくという方法がフィットした方もいらっしゃいます。
「プレゼンが苦手」に関連する発達特性/心理的要因とは
プレゼンが苦手でプレゼン必須の授業でひどい不安感を抱いたりプレゼン授業をできるだけ回避したりする要素として、発達特性や心理的要因が考えられる場合をいくつか事例とともにあげてみます。
「プレゼンが苦手」に関連する発達特性
プレゼンが苦手であること自体に関する発達特性は比較的少ないと思われます。
その中でも「人の目が怖い」「見られることがいや」という症状を強く訴える方が多いと感じます。
これは発達特性であると言ってしまってよいのか、それとも二次障害的なものなのか判断が難しいところです。
また、自閉性の特性がある方の場合、喋り方が特徴的であったり独特な表現をしたりすることで茶化されたりいじられたりしてその後プレゼンや発表がイヤになってしまう…というケースもあります。
「プレゼンが苦手」に関連する心理的要因
プレゼンが苦手だと強く感じる方の心理的要因は、疾患名で申し上げるとすれば対人恐怖症や社交不安症があげられると思います。
人前で話すことが不安で、身体症状が出てしまうほどであれば、社交不安症と診断されるケースが少なくありません。
プレゼンがつらくてつらくてしょうがなくて、プレゼンをしなければならない何日も前から食事が喉を通らず眠れなくて他のことも手につかなくなってしまう…という方もおられます。
大切なのは苦手意識の克服よりも「完璧主義の克服」かも?
どのような場合においても、プレゼンが不得手であることを担当教授に伝えつつもできる範囲で努力することが大切だと感じます。
プレゼンが苦手だという人の共通項として「完璧主義」があげられます。
完璧主義だからこそ、「ちょっとのミスをしてしまう自分や「緊張状態にある自分」が許せないのだと思います。
そのような完璧主義の人がプレゼンから逃げてしまうと劣等感や罪悪感からもっとプレゼンが怖くなってしまうという負のスパイラルに陥る方もいらっしゃるからです。
大丈夫。
誰でもみんないろいろ抱えています。
少しずつ克服していきましょう。
「レポートを提出できない」に関連する発達特性/心理的要因とは
レポートが提出できないことに関して発達特性や心理的要因が考えられる場合をいくつか事例とともにあげてみます。
「レポートが提出できない」に関連する発達特性
レポートが完成しているのに提出できない場合、すなわち提出するのを忘れてしまっているのであればADHDなどの発達特性の存在が考えられます。
その場合は「日々のタスクを可視化する」「自分の特性や好みに合ったtodoリストを作る」「家族や友達に声がけをお願いする」など、提出を忘れないようにするための複数のチェックシステムを構築することをお勧めします。
文章を書くことや言語化することが苦手でレポートを書くことができない場合は、認知や言語などのいくつかの分野における特性の交互作用によって得意不得意のアンバランスが生じている可能性があります。
その場合は得意な分野を頑張って不得意な分野ではサポートをお願いするとよいでしょう。
具体的なサポートについては後述致します。
「卒論が書けない」「レポートが提出できない」に関連する心理的要因
レポートが書けているのに提出できない場合、心理的な要因としては完璧主義や強迫性障害・不安障害などの存在が考えられます。
完璧主義な人は、自分のレポートが100点満点(”優”や”S”)を取れるかどうか気になって提出できない…というよりも提出したくないという気持ちが勝ってしまう可能性があります。
結果的に、レポートを提出しないということで0点を取ってしまうわけですが「提出して点数がつくこと」よりも「提出しなかったから点数がつかなかったんだ」という言い訳のほうを選んでしまう、複雑な心理状況を抱えているのだといえるでしょう。
きちんと提出して及第点をもらうよりも、満点以外の(もしくは自分が思っているより低い)点数を取ってしまうほうが傷つきが大きいわけです。
また、完璧主義をこじらせてしまうと、頭の中で考えている内容をうまくレポートに落とし込みきれないことが不満で、レポートを完成できなくなることもあります。
“モラトリアム留年”に気をつけて!
レポートを完成できないレベルの完璧主義は、”完璧主義”というよりは自己愛的な課題を抱えている可能性も出てきます。
レポートを提出できないままでいると、単位が取れません。
その結果、留年を繰り返し、卒業もあやうくなります。
また、他の単位はほぼ取れているのに、なぜか卒論を提出せずに留年を繰り返す人もいます。
留年を繰り返してしまう場合は、もしかしたら「社会に出るのが怖い」というモラトリアム心性が隠れているかもしれません。
「子供と大人」のはざまでのんびり暮らしていたい…
責任を負う社会人になる自信がない…
そんな”モラトリアム留年“を放置してしまうと、あっというまに”モラトリアム中年“になってしまいます。
自分を深く見つめ直し、現実の自分と理想の自分を上手に擦り合わせていくプロセスが大切になります。
卒論・レポート執筆と強迫性障害・不安障害
強迫性障害や不安障害の場合も、完璧主義と類似した心理状態によって卒論やレポートの執筆・提出が思うようにできないことがあります。
強迫性障害の場合はレポートのお約束が守れているかどうか、例えば「引用箇所と引用文献が合っているかどうか」「指定されたテーマに沿って書けているかどうか」などが過剰に気になって何度も何度も書き直したり提出期限が過ぎてしまったりします。
不安障害の場合は、人間関係がトリガーになっているケースもあります。
苦手な先生が担当している科目のレポートで筆が進まなくなりがちです。
提出期限よりも、先生に酷評されたりみんなの前で何か言われたりするのではないかという評価のほうが気になってしまう学生さんもいらっしゃいました。
特に、卒論の場合はゼミのみんなの前で発表したり大勢の前で評価されたりする機会が増えますので、他の講義系の授業には出られるけれどもゼミだけ出席づらい”ゼミ不登校“の状態になってしまう方もおられます。
あなたの不安はどこから来ていますか?
不安感が根源にある場合は、積極的に考え方を変えていくようにしましょう。
レポート、卒論、先生、ゼミのみんな…不安で怖くて仕方がない時にこそ。
不安なのは、人でもゼミでも卒論でもない…のではないかと考えてみませんか。
自分の中にある”何か”と向き合うことが不安…なのではないでしょうか。
向き合っていくお手伝い、いつでも致します。
発達特性や心理的要因が原因(かもしれない)大学生活の悩み:具体的な対策
大学生活がうまくいかない原因が発達特性であれ心理的要因であれ、まずは学内にひとりでも多くの”信頼できる人”をつくり、その人たちと情報共有することをおすすめします。
教務課に相談する
まずは教務課さんに行きましょう。
大学の事務受付に行くと、おそらく学生課の隣に教務課のカウンターにあります。
いろんな悩みを抱える学生さんが増えてきていますから、教務課の方はみんな親身に丁寧に、話を聞いてくれます。
その上で、誰に/どこにサポートをしてもらうのが良いかを提案してくれます。
学生相談室に行ってみる
ほぼ全ての大学が”学生相談室”を設置しています。
学生相談室には、資格を持ったカウンセラーさんやベテランのカウンセラーさんがいらっしゃいます。
また、カウンセラーさんたちは相談室専属の方も多いと思いますから、大学内のさまざまな情報に通じています。
授業時に”合理的配慮”をお願いするためにはどうしたら良いかも教えてくれますし、発達障害かどうか心配な場合は学校が提携しているクリニックを紹介してくれます。
ゼミの先生に相談する
教務課にも学生相談室にも行きづらい…という場合もあるでしょう。
私のところにいらしてくださる学生さんも「他の学生の目があるから事務へも相談室へも行きづらい」という方はたくさんいらっしゃいます。
その場合は、ゼミの先生に相談するのが良いと思います。
もし、ゼミの先生がどうも話しづらい人であるならば、ゼミ担当でなくても授業で教わったことのある先生でも良いと思います。
話しやすい先生でOKです。
ただ、非常勤の先生ですと、授業の受け方や学内での過ごし方まで助言できるほど大学の事情に通じているわけではないかもしれませんから、できれば専任の教授に相談するのがベターです。
家庭教師カウンセラーに相談してみませんか
「大学内では相談できる人がいない…」
「事務や相談室に行ったけど問題解決できない…」
そんなときは、家庭教師カウンセラーに相談してみませんか。
家庭教師カウンセラーは現役の臨床心理士!
家庭教師カウンセラーは現役の臨床心理士です。
なおかつ、プロ講師歴20年のベテラン家庭教師です。
心の整理や対人関係の悩み解決をしながら、大学の勉強をお手伝いすることができます。
発達特性をお持ちの方の支援経験が豊富
家庭教師カウンセラーは臨床心理士であり家庭教師でもあるというダブルの役割で長年活動しているため、「発達特性をお持ちの方」「発達グレーゾーンの方」「未診断だけれども発達特性が気になっている方」の学習支援や心理支援の経験が豊富です。
“お話しするのが苦手な方“や”対人不安の強い方“、”緊張しがちな方“にも和やかなムードの中で安心してお話し頂けるようにしています。
保護者の方はよく「うちの子が初対面からこんなに話せると思わなかった」「泣いてばかりだったのに笑顔を久しぶりに見た」「もっと早くに先生と知り合えていればよかった」とおっしゃってくださいます。ありがたいことです。
大学生さんの指導経験も豊富です。
心理学部・医学部・歯学部・福祉学部・文学部・経営学部・理工学部など分野を問わずさまざまな大学生さんのレポート・プレゼン・卒論のお手伝いをしてきました。
家庭教師カウンセラーなら、ご家庭&大学と密に連携可能
家庭教師カウンセラーは、ご家庭と密な連携が可能です。
基本的に初回面談は保護者の方にも同席して頂いています。
学生さんの状況をより具体的に多面的に把握させて頂くためです。
その後も、定期的に保護者の方と面談をさせて頂き、生活状況やおうちでのご様子などを共有してまいります。
お父さんお母さんのお気持ちが安定すると、お子さんのお気持ちも安定します。逆もまた然りです。
ご家庭内の皆さん全員が、明るく楽しく輝けるようにサポートしてまいります。
また、大学との連携実績も豊富です。
ありがたいことに、家庭教師カウンセラーが臨床心理士かつ家庭教師ということで、大学さん側にも信用をして頂けることが多いです。
遠方の大学さんともオンラインツールを利用して三者面談に参加させて頂いたことも一度や二度ではありません。
ゼミの先生や教務課さん、学生相談室のカウンセラーさんともオンラインや電話などで連携可能です。
ベテラン家庭教師×臨床心理士ならではのレポート・テスト対策の工夫
発達特性をお持ちの方や得意分野・苦手分野の凸凹がある方にとって、大学の授業がほぼ完全にオンライン化されたことによる弊害も少なくありません。
紙ベースであれば比較的ラクに勉強できたのに、Webベースであることによって勉強しづらさが増したという方もいらっしゃいます。
テスト前の勉強も、Web上のレジュメを眺めるだけでは頭に入らず、テストで点数が取れずに単位が取れなかった…という声は非常に多いです。
宿題のレポート等の課題をオンライン上の個人アカウントで提出の場合、ひとつボタンを押し忘れただけで課題が”未提出”になってしまいます。
未提出であることに気づかずにいたために単位を取れなかったという学生さんもいらっしゃいます。
言語化や文章化が苦手な方にとっては、授業時間内に書いて提出しなければならないミニレポートがどうしても書けない…という悩みも少なくありません。
授業中のミニレポートによって出欠カウントされる授業の場合は、毎回休まず出席しているのに”一度も出席していない”と見なされてしまいます。
また、履修登録など大学の事務的な手続きもほぼオンラインで一本化されてきています。
少子化による学校側の経営事情もあるとは思うのですが、発達特性によっては「紙への記入ならミスが少なくなるのにオンラインでの手続きは苦手で受講したかった科目が登録できていなかった…」という悩みも生まれています。
家庭教師カウンセラーならではの”工夫”
家庭教師カウンセラーは、生徒さんの特性をフォローするだけでなく特性を活かしたサポートをしております。
せっかく書いたレポートを間違いなく提出するために生徒さんや保護者の方とご一緒にWeb上でチェックします。
テストで点を取るために、生徒さんごとの得意不得意に応じて具体的にアドバイスします。
テスト対策用のレジュメがWeb上でしか見られず勉強しづらい場合は、プリントアウトして頂いてからマーカーで色分けしたり、アプリ等に編集し直して勉強しやすくします。
出欠席が関わる授業内のミニレポートの苦手意識についても、担当の教授へ一緒に相談したり、言語化・文章化の練習をしたり(卒業後に必要となるSSTにもつながるのでオススメです)します。
成績結果を見て泣きそうになっているあなた。
レポートや卒論で悩んでいるあなた。
単位は、工夫次第で取れます!
卒業できるまで応援します!
一緒にがんばりましょう💫
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