プロ家庭教師×臨床心理士の家庭教師カウンセラーが教育について考えます。
今日は高校入試や共通テスト(数学)難化の関連性について思ったことがありましたので、まとめてみます。
大学共通テスト難しすぎ問題
大学受験で共通テストを受けて「共通テストの数学、難しい!」と思った人はとても多いと思います。
平均点が30点とは驚きましたが、問題を見ると確かに…と感じざるを得ません。
私も公開された問題を解いてみて思いました。
「共通テストって何を測るために作られてるんだろう?」
英語は実務性・実用性に焦点化されているのがなんとなくわかりましたが
(とはいえ大学受験なのに実務性を測る意味という点では全面的には賛同しかねます…)、
数学は、最初の大問だけで制限時間を使い果たしてしまいかねません。
基礎的な計算力や公式応用力をつけるだけでは太刀打ちできないなという感覚を抱きました。
その感覚は、高校入試の問題にも抱き始めています。
高校入試でも「思考力を問う出題」が増えている
高校入試も、数学は難化は進んでいるなと感じます。
公立高校入試でも、県によっては難易度設定(受ける学校によって問題を選択)しているところもあるようです。
やはり、基礎的な計算力や公式応用力だけでなく、集中して根気よく考えないと解けない問題が各都道府県の問題に存在します。
共通テストや高校入試(数学)は何を求めているのか?
共通テストや高校入試の「数学・考えさせる化」についてざっと思ったことを述べさせていただきました。
では、共通テストや高校入試の数学は何を求めているのでしょうか?
「与えられた情報を活用して自ら問題解決ができるかどうか」を判断したい…
こういった分析はどの予備校や塾でもされていると思います。
実際、高校入試や大学入試共通テストの問題を見てみると、「与えられた情報を活用して自ら問題解決ができるかどうか」を測るための出題だと私も感じます。
ゆとり・さとり・動画世代が苦手な「能動的に考える」チカラ
ゆとり世代・さとり世代を経て、YouTubeなど動画文化が浸透した昨今。
理由は文化的なものだけとは限りませんが、飽きっぽい子や受動的な子が増えている…とは思います。
そんな中、
「情報を与えられるだけでなく活用できるかどうか」
「最後までコツコツと考え抜くことができるかどうか」
といった性質を持っている子を「ぜひうちの学校へ」と教育者が思うのは当然ではあると思います。
出題の意図はわかるけど…
そして、高校入試や大学入試共通テストの問題は「与えられた情報を活用できるかどうか」「コツコツ考え抜けるかどうか」を測るのに適した良問だと思います。
その2項目を満たした上での作業力が問われているとも言えるのですが…
とはいえ。
これらの「問題解決力を問う問題」にまったく手も足もできない子もいると思うのですよね…
「この問題が解けなくても、数学の学力がないわけではない」と感じる問題もたくさんあります。
なので、このテのじっくり取り組む問題が解けなくても「自分は数学ができない…」とは思わないでほしいです。数学への自信を失わないでほしいなと思います。
入試対策が数学の実力不足につながるのでは?
入試対策も、この「問題解決力」「思考力」対策をしなければなりません。
ただし、こういった問題を解くのには時間がかかります。
予習復習が自らできて、苦なく上位をキープしている子しか、この「問題解決力」「思考力」の対策に取り組めなくなっているのではないかと思います。
基礎計算力を固めるゾーンに長めにいてじっくり学んだ方が良い子や、公式応用力を高めるゾーンで演習問題を多く解いた方が良い子もいます。
結果的に、
現在の共通テストや高校入試の数学の出題傾向は数学の実力不足を招いてしまうのではないと感じています。
数学への苦手意識が増してしまう…
共通テストや高校入試の数学の出題傾向は、数学の苦手意識を克服するためにも逆効果な気がしています。
思考力・解決力系の問題を見ただけで
「うわー、やる気なくすわ〜」
と言う子もひとりふたりではありません(実話💦)
数学が苦手な子にとっては、
思考力・解決力系の問題は面倒くさいだけでしかないと感じられることが少なくないのです。
これから先、入試で思考力・解決力を測る出題がこれ以上多くなったら・・・
数学が苦手な子、解けないことで自己肯定感が下がる子、量産体制に入ってしまうような気がしてなりません。
解決策(案)
問題点ばかり提起してみても始まりません。
机上の空論にすぎないかもしれませんが、
「数学の入試、難化」への解決策を考えてみます。
1、中学から数学の単位制化
中学校から数学を単位制にすれば、部分的に解決することは多いと思います。
「数学Level1」「数学Level2」…といったふうに難易度別にしても良いですし、
「計算力」「応用力」「思考力・解決力」…のようにして順に学べるのも良さそうです。
代数・幾何をさらに分割するイメージでしょうか。
入試に関しても、Levelや細分化された単位ごとに出題を分ければ問題ないのではと感じます。
2、数学の入試問題を分割する
外国語は「リスニング」や「ドイツ語」「フランス語」などと分かれているわけですし、数学も入試問題を分割するのもアリではと思います。
「計算」「公式応用」「さらに応用(すみません名称思いつきませんでした)」といったふうに分割すれば「計算はできるけど応用は難しい」という子も、「計算」の枠で高得点できれば入れる学校に受かる可能性が出てきます。
3、高校サイド・大学サイドが入試問題を指定する
受験校サイドでも、入試問題の指定が可能になれば良いですよね。
「思考力がなければ困るよ」という方針の学校もあれば、「基本的な計算さえできればいいよ」という方針の学校もあると思いますから。
楽しく知識を習得し経験を積んでいく…教育の目的を忘れずに
楽しく知識を習得して勉強の中で経験を積んでいくこと…子どもたちが日々体験して成長していくために大事なことです。
教育の第一目的だとも思います。
教育の目的にそぐわない入試システムなら、改善していくべきだと感じます。
しがない家庭教師×臨床心理士ですのでこうしてネットの片隅で少さく声をあげていくしかできないですが、ひとりでも多くのお子さんの力になりたいと思っています。
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参考文献:
大学入学共通テスト(独立行政法人大学入試センター)
令和4年度埼玉県公立高等学校入学者選抜学力検査問題等(埼玉県教育委員会)